家族の介護が始まったとき、私の毎日はまるで急に色を変えたかのように、目まぐるしく変わっていきました。何をどうすればいいのかわからず、目の前のことに追われるばかりの毎日。そんな中で、広島で出会った「介護保険」という存在が、私の心に少しずつ灯りをともしてくれました。制度とか手続きとか、最初は難しそうに思えたけれど、それ以上に「支えてくれる誰かがいる」ということが何より心強かったのです。
広島で見つけた、相談できるという安心感
介護のことで悩んでいたあの頃、誰に聞けばいいのか、どこに行けばいいのか、それさえもわからずにいました。でも、ある日ふと立ち寄った相談窓口で、「お話、聞かせてくださいね」とやさしく声をかけられた瞬間、それまでぎゅっと詰まっていた気持ちが一気にゆるんで涙が出てしまいました。広島の中には、私のように迷っている人をそっと迎えてくれる場所が、ちゃんとあるんです。話せる場所があるだけで、こんなにも救われるんだと実感しました。
介護保険がもたらした“ひと息つける時間
介護をしていると、自分の時間なんてほとんどなくて、気づけば自分の心も体もボロボロになっていたことがあります。そんなとき、介護保険を使ってできるサービスを紹介してもらい、少しだけ自分の時間が持てるようになりました。ほんのわずかな“ひと息”でも、それがどれほど大きな支えになるか。私にとっては、それがもう一度笑顔を取り戻すきっかけにもなりました。広島でそんな支えに出会えたことは、今でも感謝でいっぱいです。
介護保険は、家族をつなぎなおす助けになる
最初は“制度”としてしか見ていなかった介護保険。でも今は、それが家族をつなぎなおしてくれる“きっかけ”だったと思っています。介護って、どうしても我慢や遠慮、時には怒りや寂しさもつきまとうけれど、支えてくれる仕組みや人がいるだけで、その風景は少しずつ変わっていくんです。広島という場所で、私はようやく「一人じゃないんだ」と感じることができました。これからも、不安な気持ちを抱えた誰かに、このぬくもりが届いてほしいと願っています。