民間救急とは?東京都で利用する方法を解説

東京都内の救急車出動件数は年々増加傾向にありますが、そのおよそ半数近くが軽症者であることを知っていますか?救急車の不適切な利用が増えるほど、本当に必要な人に救急医療が届かない現状があるのです。これは東京のみならず、全国的に問題となっていることでもあります。
そこでわたしたちが知っておきたいのが、民間救急というサービスです。

民間救急とは?

民間救急とは、緊急性の低いときに利用できる搬送サービスのこと。命に関わる状態ではないけれど、通院や入退院などで搬送が必要なときに利用できます。
救急車は公的に運営していますが、民間救急はその名の通り民間事業者が運営しています。そのため「利用料がかかる」「予約が必要」「医療行為不可(応急処置程度)」といった制約があります。また救急車のような「緊急搬送」も行っていません。
しかし、自力で通院などが難しいときには非常に重宝します。寝台や車椅子でも乗降可能ですし、自宅や病院・施設など必要な区間の搬送をお任せできるからです。

東京都で民間救急を利用するには?

東京都内で民間救急を利用するには、「東京民間救急コールセンター」への問い合わせがおすすめです。利用者の身体状況や日時・場所に合わせて、民間救急を予約してくれるサービスです。
また、東京都にはサポートCabというタクシー事業者もあります。タクシーといっても、コールセンターに登録されているのは救急救命の資格を持つ運転手のいる事業者。人工呼吸マスクも常備されており万が一のときも安心です。予約状況によって、最寄りの民間救急かサポートCabを手配してくれますよ。
利用に関する詳細は、東京防災救急協会のホームページで確認できます。登録事業者も公開しているので、希望の民間救急に直接問い合わせすることも可能です。

民間救急を間違えて理解している人も多い

全国的に救急車の適正利用が叫ばれる中、民間救急の役割が少しずつ浸透しつつあります。とはいえ「運営が民間に変わっただけ」と認識されていることも珍しくなく、救急車との違い(利用目的など)を理解している人はまだまだ少数だと感じます。
民間救急の選択肢が広まれば、救急車不足の解消にもつながるでしょう。日頃から民間救急の役割や利用方法を知り、身近な人にも共有しておくことが大切ですね。